委員長挨拶

中央執行委員長 津崎 暁洋

1.はじめに

1946年2月9日生まれ、73歳(2019年10月末現在)。この労働組合の産声を聞いた現役組合員は誰1人としていません。しかし、私たちの先輩が、これまで紡いできた重要な歴史の一端を垣間見てきた、ともに参加してきた組合員は存在します。今こそ、どんな時代でも忘れてはいけない「歴史」や「伝統」と、今の時代だからこそ必要な「変革」や「改革」の両立が強く求められ、そのためには、そこに関わる組合員の小さいけど(集まれば)大きな力が必要不可欠です。1,100人を代表して、キッコーマン労働組合の活動の考え方について、共有したいと思います。

2.近視眼的ではない生産性とエンプロイアビリティ(雇われるチカラ)の向上

イギリスのEU離脱や、アメリカの反移民・難民をはじめとする、自国第一主義が蔓延するなかにあっても、グローバリゼーションは確実に歩みを進めており、私たちが働く職場にも、「ダイバーシティ&インクルージョン(=多様性を認め合いながら、あらゆる個性が活かされる状態を目指すこと)」の実践や、日進月歩である「IT・IoT機能」の活用などがこれまで以上に求められています。大切なのは、単に「生産性の向上」を実現するだけでなく、「従業員の働きがい向上や人生の充実」の実現も両立させることであり、私たちはこれを「ワーク・ライフ・シナジー(*)」と呼んでいます。余暇の時間に、趣味や見識を広げたり、友人や家族との関わりを深めたりすることは、単に充実感を得るだけでなく、結果として「インプット」の向上に繋がり、それは仕事で求められる「アウトプット」の向上にも繋がるからです。

*ワーク・ライフ・シナジー

仕事と私生活について「バランスを取る」というよりも「相乗効果を目指す」という考え方。
双方の充実を図り、好循環となることを目指します。

3.2020年~21年度 重点的に取り組むこと

私たちは、運動推進の基本的な考え方として、「綱領」および「21世紀ビジョン」を掲げ、それに基づき、「2020年~2021年度の運動方針」を策定しました。そして、この運動方針に基づき、執行部と組合員が一体となった組合活動を進めていくなかで重要視しているのが、「『組織の成功循環モデル』に基づき『関係の質』を高めること」です。私たちが、最終的に結果を求められて仕事に邁進するのは当たり前ですが、労働組合としては、まず入口である「関係の質」の向上からスタートさせることにより、最終的に良い結果・成果に繋がる好循環(グッドサイクル)を目指そうとする考え方です。また、キッコーマン労働組合は2016年に70周年を迎え、記念事業の一つとして、ユニオンスローガンの策定を行いました。組合員公募のなかから勝ち上がり、組合員投票で最多得票を得たユニオンスローガンは「誰かが、ではなく全員で。」でした。執行部が中心となり会社と交渉することも少なくない組合活動にあっても、現場の生の声が届かなければ、決して高い交渉機能を維持することはできません。賃金アップや新たな制度導入、ハラスメントや労務管理といった職場固有の課題解決、組合員アンケートをはじめとした意見集約機能の強化、嘱託社員やパートタイマーの組織化など、「誰かが、ではなく全員で。」取り組んでいこうではありませんか。

4.さいごに

今この原稿を書いている2019年10月は、ラグビーワールドカップが日本で開催され、日本代表がアイルランドやスコットランドといった強豪国を破り、4戦全勝でベスト8に進出し(準々決勝で南アフリカ共和国に敗戦)、私たちに多くの勇気と感動を与えてくれました。私は、ラグビーと組合活動を語るうえで、大切なキーワードが2つあると考えています。一つは、「One for All、All for One」です。「1人は皆のために、皆は1人のために」という訳をついつい当てはめてしまっていましたが、実は、最後のOneは「勝利」や「共通の目的」という意味だと知った時、だからこそ日本代表は、あそこまで一人ひとりが自分の役割を全うし、チームとして出せる最大限の力が出せたのだろうと思い、まさに目から鱗でした。そしてもう一つが、「ノーサイド」です。全力で力を出し切ったあとは、勝ちも負けも関係なくお互いを認めあう、(本来)当たり前だけど難しいこの最終ページの重要性は、「労使関係」においても、「組合内部の会議や委員会」においても、同じことが言えるのではないでしょうか?お互いの立場や役割を尊重し、納得できるまで議論を尽くす、そのうえで導いた結論に理解と責任を持って前進する。そういった健全で理想的な、組織であり続けたいと考えています。「誰かが、ではなく全員で。」の精神で、ともに頑張りましょう!

キッコーマン労働組合
中央執行委員長 津崎 暁洋

  • 連合(日本労働組合総連合会)
  • フード連合
  • 全国労働金庫協会
  • 全労済